涙に逢うまでさようなら

じゃんけんの結果、香りものの分野で手伝ってくれたおとんさんが最初に店内に入ることになった。

落ち着いた雰囲気と小綺麗な顔立ちのせいか、少し体が固くなった。

おとんさんは店に入るとすぐに、「すごい」と呟いた。

「おとんが褒めた」と隣でなっちが呟く。

やはりはっきり言う方なのだろうかと思った。

おとんさんは向かって左側のアクセサリー類が並ぶ方へ進んだ。

出てきてなにを言われるのだろうかと心臓を騒がせていると、「あのう」と静子さんの声が聞こえた。

振り向いた先には右手を上げる彼女がいた。

「二番目行っていいっすかあ?」

静子さんの声に、「じゃあ三番も」とういすさんが続く。

「どうぞ」と答えると、「もうみんな入っちゃいなよ」となっちが続く。

「壊した商品は作り直しね」と続けられたなっちの声で、店内に緊張感が漂った。

「ストラップ系絶対壊さないでくださいねえ?」とミントさんの声が聞こえてくる。