涙に逢うまでさようなら

相原家の前で、「お待たせしました、ご主人様」という初めての文字を送信した。

その後すぐに玄関から現れた大翔は、「虹をつかんだ男」と書道のようなたくましい字体で書かれた白いティーシャツを着ていた。

「幸せそうでなによりだよ」と言うと、「受かった」と小さく聞こえた。

まるで大好きな芸能人に会えたかのような、宝くじの一等が当たったかのような、未だかつて経験したことのない幸福感が胸の辺りを満たす。

「えっ?」

もう一度聞きたくて聞き返す。

「俺、大学、受かった」

「本当?」

叫ぶように返すと、大翔は大きく頷いた。

わたしは玄関にいる彼の元へ駆け寄り、彼を思い切り抱きしめた。

「やったね大翔っ。大翔っ、やったね」

叫ぶように言いながら、卒業式でも出なかった涙が頬を伝った。

一度離れて大翔の顔を見上げると、「なんで美紗が泣くの」と彼も目を潤ませていた。

「だって……」

やったじゃん、と叫び、もう一度強く大翔を抱きしめた。