涙に逢うまでさようなら

自動販売機に金を入れると、清涼菓子を食べたあとに飲み物を飲んだときの冷たさが欲しくなった。

わたしは、返金・おつりと書かれたそばのレバーを下げた。

戻ってきた金を財布に戻してパーカーのフードを被ると、財布とともに両手をポケットに突っ込み、近くのコンビニを目指して歩き始める。

コンビニは歩いて五分ほどの場所にある。

一瞬迷ったが、大翔に伝える必要もないだろうと思った。


コンビニでは、清涼菓子を二つと一本のミネラルウォーターを購入した。

店を出てすぐに清涼菓子を口に放り、噛み砕いて水を流し込んだ。

求め続けたその瞬間は至上のものだった。


強い清涼感を満喫したあとに被り直したフードを脱ぎ、図書館の自動ドアをくぐった。

席に着くと、大翔の「無事でよかったよ」という声が聞こえた。

「悪かったね、心配させて。ただでさえ昨夜眠れなかったらしいのに」

「だから、嘘だって言ったよね?」

少しむきになって言う大翔をからかうように笑った。

大翔は幼い子どものように上目遣いに睨んできた。

実にわたしの好みに合った反応だ。