涙に逢うまでさようなら

その後、互いの好きな色について話しながら図書館へきた。

大翔は、緑や青、灰色といった色が好きらしい。

統一感がないなと笑うと、美紗は何色が好きなのだと訊かれた。

青や紫、茶色、黒が好きだと答えると、美紗も統一感はないじゃないかと言ったあと、どれも美紗らしいやと大翔は笑った。

彼の中のわたしのイメージカラーは白と黒だったらしい。

わたしの中の大翔のイメージは橙や黄色だと言うと、どちらも嫌いではないが身につけたいと思う色ではないと彼は笑った。

今着ているパーカーの色は何色だと返すと、大翔はあっと声を漏らし、苦笑した。


今までの席に着くと、大翔は教科書やノートを机に並べながらあくびをした。

「眠れなかったのか?」

わたしが尋ねると、大翔は嫌な笑みを浮かべた。

「まあね。嘘だけど、昨夜はあれから美紗のことが気になって眠れなかったんだ」

「嘘かよ。最初に嘘だと言われたのにちょっと喜んでしまったよ」

あの日大翔から返された言葉と同じように返すと、彼は机に突っ伏し、「なんで覚えてるんだよお……」と涙声に似た声で言った。

満足したわたしは、自然と浮かんだいいものではないであろう笑みを消さないままに清涼菓子の容器を振り、出てきたものを全て口に放った。