今はこの手を離したくなかった。
一人になりたくない……
「わかった。そばにいてやるから……」
羽賀くんは椅子に座り、私の手をぎゅっと握ってくれた。
その手の温もりに安心し、涙がこぼれ落ちる。
羽賀くんに手を握られながら
私は子供みたいに泣きじゃくった。
怖かったの……
初めて死ぬのが怖いと思った。
もう羽賀くんに会えないかと思った。
私が泣き続けてる間、羽賀くんは黙って手を握り、頭を撫でてくれた。
しばらく泣き続け、私は涙を拭って顔を上げた。
「ありがとう。もう大丈夫……」
「落ち着いた?」
「うん」
こんなに泣いたのは、病気になって初めてだったな。
真っ直ぐ私を見つめてくる羽賀君。
その表情はどこか悔しげだった。
「ごめんな……」
「え?」
「美羽が倒れた時、そばにいてやれなくてごめん」
私は力強く首を横に振った。
そんなことない。
今、羽賀くんに対して感謝の気持ちでいっぱいだよ。
私が病院に運ばれたと知って駆けつけてくれたし、
泣きじゃくってる間も私の手を
ずっと握りしめてそばにいてくれた。
安心をくれた羽賀くんのこの手が
私の一番の特効薬なんだよ。


