私は彼に聞いてみたいことがあり、勇気を出して聞いてみた。
「羽賀くんは私と初めて会った時、どうして声をかけてくれたの?」
「えっ何だよ急に」
「ずっと聞いてみたかったから……」
「そんなの美羽と仲良くなりたかったからに決まってんじゃん」
羽賀くんは考えることもせずに答えた。
やっぱり彼の嗜好が私にはわからない。
「羽賀くんって物好きだね」
「物好き?」
「私今まで友達なんていなかったから
私に声かける人なんていなかったよ。
私といてもつまらないと思われて
誰も近づいてくれなかったから……」
私の小さな声が波音に消されそうになっても羽賀くんは黙って聞いてくれた。
しばらく沈黙が続いた後、羽賀くんが口を開いた。
「つまらないって、本当にそうなのかな?」
思いがけない言葉に、私は彼を見た。
「俺から見た美羽はいろんな人から愛される子に見えるよ」
私が愛される子……?
羽賀くんの言っている意味がわからなかった。
もちろん、両親からは
目一杯の愛情を注がれてることは
身にしみてわかるけど
あまり人と関わりを持たなかった私が
ほかの誰に愛されるというのだ。
「誰も私みたいな子を愛さないでしょ」
「本当に?入院してた時のことを思い出してもそう思う?」
入院中……?
「俺、よく付き添いであの病院行ってたんだけど、
患者さんや看護婦さんが美羽の話してるの
聞いたことあるんだ。
美羽は病院で、たくさんの人の支えになっていたと思うよ」
思わず羽賀くんの横顔を見ると、彼は少し羨ましそうな顔をしていた。


