ここは、どこだろう。
長い夢を見ていた気分。
苦しくて。哀しくて。切ない夢。


「リズ!リズ!」

私を呼ぶ声がする。
愛しい声。
ああ―――。


「アル、さま…」

「リズ、良かった。目が覚めたのだな」


いまにも泣き出しそうな顔のアルさまがいて。
一体何が起きたのだっけと思いを馳せる。


「毒で倒れたのだ」

「毒…」


アルさまに知らされた現実。
ああ、そうだ。
納得したと同時に怖くなった。
悪意を持っている人がいる。
それは、王族になのか、はたまた私自身になのか。
どちらにしても、恐ろしいことだった。


「大丈夫だ。心配するな。犯人はすぐに見つけ出す」

「はい…」