きみとなら、雨に濡れたい




その日の帰り道。私は灰色の空の下を歩く。

ぴちゃぴちゃと傘を伝って流れてくる雨垂れを見つめながら、上級生のカップルがひとつの傘を差して私を追い抜いていった。


「今日ホラーのDVD見ようよ」

「えーお前すぐ怖がるじゃん」

寄り添うように身体を密着させて楽しそうな声だけを置いていく。


美憂が生きていたら、きっとあんな風に毎日アイツと帰って家でDVDでも見ながら今も仲良く過ごしていたんだと思う。

好きな人といる時間がどれほど尊いものなのか私は知らない。

だけどそれはなにものにも代え難いものだったんだろう。それを証明するように、美憂がいないアイツは空っぽだ。


私はふと足を止めた。

灰色の景色に浮かび上がる深紅色の紫陽花。気づくと私は公園内に足を踏み入れて、また東屋の中に入った。

この場所をメリーゴーランドと言っていた美憂。そんな美憂と私は容姿も含めて似てないところのほうが多かったけれど、きっと端から見れば仲がいい姉妹に見られていたと思う。



「北中ってウサギいるんでしょ?いいなあ」

私たちはよくこの東屋で学校で出された宿題をやっていた。どうやら西中には飼育小屋そのものがないらしい。