きみとなら、雨に濡れたい




「あ、そうだ。あのね……」

美憂が思い出したように言ったので俺は「ん?」と聞き返す。


「今日、1年生の男の子に付き合ってくださいって言われたの。でも返事をする前に走って帰っちゃって……」

何人もの人に告白されていることは知っていたけれど、ついに後輩にまで……。


「なんて返事をすればいいと思う?」

美憂がこんなことを聞いてきたのは初めてだった。美憂が告白されてるのだってクラスメートの噂話で把握しているだけで、直接報告されたことはない。

自慢話なんてするタイプでもないから、こうやってわざわざ俺に言ってくるということは、なにか別の意図があるんだって分かった。でも俺は……。


「俺に聞かれても……」と、情けない声しか出てこない。

すると美憂は珍しくムッとした顔をした。


「じゃあ、オッケーでもいいんだね」

「それは……」

美憂は俺に言ってほしい言葉があるんだろう。