きみとなら、雨に濡れたい




美憂はしっかり者というわけではない。少し抜けているところもあるし、天然だなと感じることもある。

だけど性格は真面目だし、こうして礼儀もきちんとしてるので周りからは信頼されている。

頼られたり、頼ったりと、誰もイヤな気持ちにならない付き合い方をして、せっせと掃除当番や先生からの頼まれごとの仕事もしている。

自分で色々やっていると思う。

十分すぎるくらい、俺の目から見る限りでは。


「うーん。学校ではそうなんだけど私生活の話。私、家ではお母さんに甘えっぱなしだからさ」

美憂はよく家族の話をする。


働き者のお父さんとお菓子作りが趣味のお母さんと、溺愛している妹の話。俺は幼い時からばあちゃんと二人暮らしだったし、仲がいい家族像には憧れもあったりする。


「お母さん、美人そうだよね」

会ったことはないけれど、美憂を見れば大体容姿は想像がつく。


「若い時はけっこうモテたみたいだよ」

一瞬だけ暗く見えた美憂の表情がいつもどおりになって、俺はホッとしていた。


「美憂と似てる?」

「目元はそっくりだって言われるけど、全体の雰囲気は妹のほうがお母さんに似てるよ」

どうやらお母さんはふわふわとした美憂とは違い、ショートカットで男気がある性格らしい。


「妹は自分はお父さん似だって言い張ってるんだけどね」


一年前にプレゼントしたシャーペンは大事に使っていると聞いた。


どんな妹なのだろう。まあ、美形であることは間違いないと思うけど。