きみとなら、雨に濡れたい




――高木美憂と私は、二卵性の双子だ。


ひくひくとすがるように泣いている美憂のほうが先に生まれたので姉。

私は妹だけど、美憂よりも性格が冷めているから、こうしてなだめることも少なくない。


両親の離婚で私は高木和香から、柴田和香へと苗字が変わった。

私はお父さんの元で。美憂はお母さんの元で暮らすことがすでに決まっている。   


次の日。引っ越し用のトラックをお父さんが職場から借りてきた。全ての段ボールが荷台へと積み終わると、お父さんは運転席へと先に乗り込む。


「……っ、和香ちゃん」

ぐすんと、美憂はずっとこの調子だ。


きっとここで別れの言葉を言ったら余計に涙がひどくなりそうだし。かと言って慰めても今は逆効果だろう。


「じゃあね」

私はまるで買い物に行くような軽い口調で、助手席に座った。

バタンッと勢いよくドアを閉めてシートベルトをすると、お父さんがエンジンをかけはじめる。


高さがある窓からは、美憂とお母さんのことが余裕で見下ろせた。

お母さんは泣きじゃくる美憂を支えるように手を握っている。