きみとなら、雨に濡れたい



比較的円満だと思っていた両親の仲は、私の知らないところではとっくに崩壊していたらしい。


どっちも共働きだったし、すれ違いが原因なんだろうけど、私は詳しく知らない。

でも〝子どもたち〟がある程度大きくなるまではという約束だったみたいだし、離婚を前提とした生活をしていたなんて気づきもしなかった。


「そんなに泣かないでよ」

公園にあるふたつのブランコ。地面に映る私の影はゆらゆらと揺れているのに、隣のブランコは止まったまま。


「だって……っ。家族が離ればなれになるなんて絶対イヤ……」

ひくひくと肩を震わせて泣いている姿を見て、私は大きなため息をついた。


「私たちがなにを言っても決まったことだから仕方ないよ」


春からは中学生になる私は離婚の意味の重さもそれなりには理解していた。けれど、家族が離ればなれで寂しいという感覚があまりない。

だって、離れて暮らすと言っても同じ町だし、こうして公園で待ち合わせることもできるから。


「でも和香ちゃん……明日、家を出て行っちゃうんでしょ?」

鼻を真っ赤にさせた〝美憂〟が言った。


「春休みまでには色々と済ませておきたいみたいだよ。これも大人の事情でしょ」

「……っ。和香ちゃんと離れるなんてイヤだ!」

「だからそんなに泣かないでってば」