きみとなら、雨に濡れたい




ホッとしたように、ぞろぞろと廊下に出ていくクラスメートたち。一方の柴田は外れた胸当てのボタンを冷静に留め直していた。


「あのさ」

そんな柴田に俺は声をかける。


「あんまり菅野を煽るようなことは言わないほうがいいよ」


菅野はたしかに不良ぶってるし威勢がいいだけかもしれない。けど柴田よりもはるかに身体はでかいし、いくら強気の柴田でも菅野が本気の力を出したら勝てるはずがない。


「煽るもなにも私は本当のことを言っただけだし」

「それでもさあ」と、何故か柴田の態度を見て俺がムキになってしまった。


「とにかく、もう菅野を刺激すんなよ。なにかあってからじゃ遅いだろ」


俺はそう言って、他のクラスメートに続くように廊下に出た。


柴田は少し、分からず屋すぎる。


なんでそんなに虚勢を張るのか。なんでそんなに自分のことを強いと思ってるのか。

俺にはまったく関係ないことなのに、少し苛立ちが込み上げてきているのはどうしてだろう。