それから数日が経って、B組はA組とまとめられることになった。
人数が少ないし、ふたつ一緒になれば丁度ひとクラス分の数になる理屈は分かる。
でもなんでこの6月の中途半端な時期にやるのかって話。どうせなら夏休み明けの二学期からやればいいのに、そこは生徒の気持ちを無視して大人の事情というやつだろう。
「えっと、今日からB組のみんなともクラスメートになるわけだけど」と、この場をA組の先生が仕切る。
まだ決定ではないらしいけれど、どうやらうちのクラスの担任は副担任になるという噂だ。
誰が担任でも関係ないけれど、早く移動のために抱えている荷物をどうにかしたい。
「空いている席に適当に座るというのも公平じゃない気がするから、これから1限目を潰して席替えをしたいと思います」
先生の言葉に教室がざわっとなった。
席順はくじ引きで決めることになり、とりあえず私を含むB組の生徒たちは荷物を一旦ロッカーの上に置く。
新しく作られた出席名簿を先生は見ながら、くじは名前の順で引くことになった。
教壇に置かれた小さな箱からくじを引くたびに、黒板に書いてある席の場所が埋まっていく。
か行の小暮千紘の番になり、小暮は6列目の前から三番目だった。そして私も順番がきて迷わずに1枚を引く。
そこに書かれていた席は5列目の前から三番目。
私は一瞬固まった。
アイツと隣の席なんて嘘でしょ?