きみとなら、雨に濡れたい




うんざりする。

それが最近の私の口癖。と言っても言葉にするのではなく、心の中で苛立ちを溜め込んでいるだけ。


1限目の授業は退屈な古典だった。年老いた先生の長ったらしい朗読を聞きながら私は机に頬杖をつく。

絶え間なく降る雨を見るのはこれで何度目だろう。

……ああ、もう本当にうんざりだ。



「ねえ、柴田さん。英語のノートの提出がまだなんだけど……」

休み時間。クラスメートの女子が私の机に近づいてきた。


私は基本的に席を立たない。廊下に出るのはトイレか移動教室か時々飲み物を買いにいく時だけ。そんな岩のように腰が重い私はクラスメートとは馴染めていない。

いや、そもそも馴染むつもりがないと言ったほうが正しい。


「まだやってないから出せない」

課題をやる暇はあった。でも後でやろうと先回しにしていたら忘れてしまった。


「困るよ。全員分のノートを持ってくるように言われてるんだから」

「あとで自分の分は提出するから」

「期限今日までだよ。それじゃ間に合わない」


なかなか離れてくれないクラスメートに私の苛立ちはまた沸々と沸いてくる。

集団行動、協調性。私の大嫌いな言葉。


「遅れても怒られるのは私なんだから関係ないでしょ?」

強く言い返すと、怯えたようにクラスメートは去っていった。


「柴田さんって怖いよね」

「なんであんな言い方するのかな。性格きつすぎ」

そんな他の人たちの声に、私はため息をついて耳にイヤホンをはめた。