きみとなら、雨に濡れたい




「……っ」

手紙が濡れないようにしても涙が溢れてくる。


美憂がいなくなってから流していなかった涙が、壊れたように落ちていく。

前を見ると、柴田も美憂からもらった手紙を見て泣いていた。

書かれていた内容は分からないけれど、俺の手紙と同じように愛と優しさがたくさん詰まっていたのだろう。
 

美憂は、本当に俺たちの天使だった。

最後の最後まで、人のことばかりを心配して、こうして暖かい感情でいっぱいにしてくれる。


「ひどい顔」

暫く泣き張らしたあと、真っ赤な目をした柴田が俺を見て言った。
 

「いや、柴田もひどいよ」
 
「私の手紙、小暮のことばっかり書いてあったよ」

「俺の手紙は柴田のことばかり書いてあったよ」

「美憂らしいね」
 
「美憂らしいな」


同じ言葉を繰り返していることに気づいて、自然と涙が笑顔に変わっていく。