きみとなら、雨に濡れたい




……ここが、美憂の生活していた場所か。

あのダイニングテーブルでご飯を食べたり、ソファーに座ってテレビを見てたりしたのかな。


「あ……」

そんな部屋を見渡していると、美憂の写真を見つけた。それはまだ幼くて俺が出逢う前の美憂だ。


「可愛いでしょ?」

「うん」

「小さい時から天使みたいだって言われてたよ」


柴田の言うとおり、幼い日の美憂はとても愛らしかった。この頃に出逢っていれば、間違いなく俺の初恋は早かっただろうと思うぐらい。


「でも柴田も可愛いよ」

美憂の隣には柴田が写っていた。それは一枚じゃなく何枚も。


「気遣わなくていいから」

「そんなつもりじゃないのに」

「はいはい」

柴田は褒めても不機嫌になる。けれど、最近やっと私の写真も増えたなんて言っている顔は嬉しそうだった。


「じゃあ、そろそろ会う?」

柴田がリビングの隣の襖を指さす。


「美憂に」

俺は動揺しなかった。柴田が家に招いてくれた理由は、なんとなく分かっていたから。