きみとなら、雨に濡れたい



差さないの、なんて、どの口が言ってるんだか。美憂のじゃないの?と、余裕なく聞いてきたこともあったくせに。


「この雨がやんだら差すよ」

おかしなことを言っているのに、小暮はその意味を理解しているようだった。


「もしかして柴田も美憂から水飴症候群のこと聞いてたの?」

「うん」

私もあえて尋ねたことはなかったけれど、美憂なら絶対に小暮に話していると思ってた。


「そっか。じゃあ、柴田は雨の原因が俺にあるってことも知ってたんだ」

「え?」

「それなら嫌われてても仕方ないよな。いつまでも俺が……」

「ちょっと待って」


私は遮るように小暮の言葉を止めた。

この町の言い伝えのことは知っている。そんな現象起こるわけないって思ってたけど、気象庁でも説明できないこの雨を見たら信じるしかない。

でも小暮の話は私が思っていたこととズレている。