私は全然しっかり者なんかじゃないし、不器用だから言われたことだってうまくできない。
それでもちゃんとやらなきゃって。みんな美憂のことを気にかけてるんだから、私に気をとらせたらダメだって、そうやって隠れてひっそりと泣いてたこともあった。
我慢してたんだ、ずっと。
ワガママを言うのも迷惑をかけるのも。
だからずっと気を張ってた。
強くいることを覚えた。
そんな風に私を変えたのは、家族であり、美憂であり、弱音をはけなかった自分だ。
「……結局お母さんは、なんにも私のことを分かってなかったね」
そう言って、私は家を飛び出した。
「……和香っ!」
お母さんの声がした。後ろは振り返らない。



