きみとなら、雨に濡れたい



「そ、そんなこと思うはずないじゃない」

「でもリビングには美憂の写真しかない」

「それは一回忌までは供養のためにって……」

「本当に?」

きっと私はすごく醜い顔をしている。


べつに写真ぐらいいいじゃない。美憂がいた証を確かめるように親がたくさん飾ってなにが悪いの?

頭では分かってる。でも、この感情が消えてくれないの。


――『私は美憂から離れることはできない』

そうお母さんに言われたあの日。私は自分が愛されてないって言われてるみたいだった。
 

「お母さんにとって、美憂が一番大切だったでしょ?」

強く問いかけると、お母さんは黙ってしまった。そしてぎゅっと唇を噛み締めたあと、「たしかに和香の言うとおり、美憂が一番だったわ」と認めた。


本当は傍にいて私が支えてあげなきゃいけない時期なのに、こんな風に責めるなんて最低だ。……こんな自分が心底イヤになる。


「でも、聞いて。和香は昔からしっかり者だったから、安心してたのよ。妹だったけど立場的には和香がお姉ちゃんみたいなところがあったし。気にかけなくても和香は言われたことはちゃんとやる子だったからそれで……」

「違うよ」

「え?」