きみとなら、雨に濡れたい




「はあ……」

次の日。寝起きがいい私が暫く布団から出られなかった。

ズキズキと痛む頭は風邪じゃない。丈夫な身体だけが取り柄な私だ。きっと精神的なものだろう。
  
重い足取りのまま学校に行ったのに、こんな日に限って日直だった。……最悪。


「柴田さん、いつも以上に不機嫌じゃない?小暮くんと喧嘩でもしたのかな?」


びっしり書かれた黒板の文字を見て舌打ちしたのがどうやら後ろにいた女子たちに聞こえていたらしい。

振り向くと「うわ、睨まれちゃった」と、廊下へと逃げていった。


睨んだつもりはなかった。でも目つきの悪さがもう染み付いてしまっているのかもしれない。

再びため息をついて、黒板消しで上の文字を消そうと背伸びをしていると……。


「手伝うよ」

先生の雑用を終えた小暮が教室に戻ってきた。

小暮は私が精いっぱい手を伸ばしても届かない場所を、簡単に黒板消しで綺麗にしていく。


「放課後、なんか用事ある?」

消し終わった小暮が聞いてきた。


「なんで?」

「プリントまとめてくれって、さっきまた頼まれた」

「なんのプリント?」

「明日の授業で使うやつだって言ってた」


そんなの、先生が自分でやればいいのに。

苛立ちが芽生えと同時に自分の眉間がものすごく寄っている気がして、慌てて元の顔に戻した。