きみとなら、雨に濡れたい




幼い時はおそろいの洋服を着させられていた私たちだったけれど、いつしか双子ということで美憂と比較されることが多くなっていた。


『和香ちゃんにワンピースは似合わない』
『髪の毛も美憂ちゃんのほうがサラサラ』
『和香ちゃんじゃなくて美憂ちゃんがいい』

悪意はおそらくなかった正直な同級生たちの声が、当時の私にはツラくて仕方がなかった。


だから、美憂と同じ服を着るのはやめた。

髪の毛も伸ばすのをやめた。

美憂と友達になった人たちから離れた。

そしたら、ひとりになった。

ひとりのほうがラクだと知った。



大きな病気を抱えているのに明るさを失わない美憂。友達もお母さんも独り占めして、誰からも好かれているそんな姉のことが……。


本当はキライだったのだ。


美憂がいるから。美憂さえいなければって本当はずっと考えてた。

私の劣等感なんて知らない無邪気な美憂が『大好き』と言ってくれるたびに鬱陶しいと感じてた。


そう思ってしまう自分は性格も心もなにもかもが汚い。そしてはじまる、出口の見えない悪循環。


病気だった美憂に嫉妬して。自分が優しくされないからって優しさを忘れて。


こんな私が誰かから好かれるはずなんてなかったのに。