「そろそろ、帰るか。」


「あー、そうだな」


時計を見れば6時。

それなりの時間だ。


「ゆめ、帰るか」


え、佐倉。


「いや、私はその………」


今、一人暮らしの部屋にいないゆめは、言葉を濁す。


「佐倉、家まで送ってくよ」


「順番に送ってやるよ」

順番に、、送る。


その、言葉に安心した、佐倉を、最初に送り届けた。


チャイムを鳴らす。


「先生、何してんの?」


「は~い、あら佐倉」


佐倉の母親が、顔を出す。