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引っ越し

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あれから、1週間が経ち、稼働テストに入った。

システムは一応完成し、テストで細かいバグの修正を行っている。

山は越えた感じだ。

22時。
いつもはまだ大勢、残業してるのだが、今日は私と河谷主任だけだ。

隣の課が納品を済ませた打ち上げに、みんなで便乗して飲みに行ったからだ。

結果、納期に迫られた私たちだけが取り残された。

「佐藤、考えたか?」

突然、河谷主任が言った。

「え? 何を?」

「ルームシェア」

「へ? あれ、本気だったんですか?」

「お前、冗談だと思ってたのか?」

「いえ、あの時は、本気だと思ったんですが、
後で考えたら、違うかなぁと思って。」

「お前なぁ。
罰として、今週末、引っ越し。」

「えぇ!
なんでですか!?」

「なんか都合悪い?」

「親になんて言えばいいんですか?」

「俺が挨拶に行ってやるよ。」

「へ?」

「お嬢さんと結婚を前提に同居させて
くださいって。
くくくっ」

「主任、ふざけてるでしょ!?」

「いや、至って真面目だ。」