「愛ちゃん、ごめん。でも、俺が好きなのは……「大ちゃん」



大ちゃんの言い訳なんかもうどうでもよくて。
あたしは、彼の言葉を遮る。



「愛ちゃん?」


「あたし何も感じないの」


「え?」



あたしの言葉に首を傾げる。



「さっきのが浮気でもそうじゃなくてもどうでもいい。浮気だとしても何も悲しく感じないの」


「……え?」


「あなたのこと、好きじゃない」



少し遠回しにいっても、わからないのではっきりと彼の目を見て告げる。



「どういう……」


「そのまんまの意味。でも、ちょうどよかった。京香ちゃんとそんな関係になってたならなんの問題もないね」



そう告げて、あたしは大ちゃんの家に置いてあった私物をカバンに入れていく。