「佐脇はその後も同じやつらに何度もされたらしくて」

「え、どうして?」

「その時の映像があったみたいで、バラされたくなければ来い、みたいに言われて何回もそういう行為があったみたいで
結局、そいつらから逃れられなくて

神谷がそれを知ったのが、11月。
もう2ヶ月以上もそんな関係が続いていたんだ。

で、神谷がそれを知ったときに相手のやつのとこに行って……
で、結局佐脇の映像がネットにばらまかれて……

で、冬に自殺した」


出てきた話は想像を遥かに越えた驚愕な話で……
私はもう、なにも言うことができなかった。


「そんなことがあったから、俺ら3年はそのことを全員が知ってる。すげー話題になったから。」


「……許せない」


やっと出た私の言葉がそれだった。
女として、人として、そんな卑劣なやつらが許せない。


「そんな、真希ちゃんが怒らなくても…」

「男が女を襲うなんて、そんな卑怯なことある?
そんなの、女はどうすることもできないじゃん。
これ以上ない犯罪だよ」


許せない。
そんな苦しめ方をしたやつらが、絶対許せない。

許してはならない。


「……そいつら、いつ出てくるの?」


刑務所、だよな。
強姦なんて一番たちが悪い。
いったい何年そいつらは入ってるんだろう


「……いや、たぶん捕まってないと思う」


・・・!?!?


「え、どうして!?」

「証拠がないから、かな
自殺した理由も遺書とかあった訳じゃないし、親も男に無理矢理……なんていまだに知らないと思う。
自殺した理由すら、本当にいまだに知らない。

……神谷も、自分のせいだからって話せずにいる。
神谷一人でその事実を抱えてるんだよ」

「なっ…、どうして…」

「……まぁ、知ったところで佐脇が戻ってくるわけじゃない。
知ったところでまた悲しませる。
だから、なにも言えないんだろうな」


そう、だけど
そんなことをしたそいつらが、この世界でのほほんと暮らしている事実が許せない……!!