「ん、まあなんでもいいけど、その彼女の話は?」

「どんだけ気になってんの」

「だって気になるんだもん」


私はその人のため…いや、その人のせいで2番目にならざるをえないんだから。


「……まず、中学生の頃から神谷は荒れてた。
サッカー部だったけど、部活停止になるくらい本当に荒れてたし、喧嘩するわ無免許でバイク乗るわで本当にただの不良で」

「え、今圭介の話してるんだよね?」


なんかもううちの弟の話を聞いてるようなんだけど……


「そう、神谷の話。今とは本当別人で。
んでまた話変わるけど、佐脇はどちらかといえばおしとやかな、おとなしくて上品で、ぶっちゃけ神谷に全然釣り合ってなかったから、神谷が佐脇のこと好きだって知ったときはみんなでバカにしたくらい」


その佐脇歩美さんのことは知らないけど……でも圭介がそんな荒れてたってことがまず信じられない。
だって普段の圭介は本当おとなしくて、冷静で能天気で……
部屋だって全然不良要素なくてきれいだし炊事洗濯自分でやってるし……

あの人が不良なんて……全然信じられない……


「そのうち神谷がコクってうまくいって、まぁ順調に付き合ってたんだけど、神谷もずっと不良グループだったから敵も増えていってさ

去年の夏休みの終盤、佐脇が敵対するグループにラチられて
……で、なにされたかとか大抵想像できると思うんだけど」


あぁ…うん
男に拉致られて女がされることなんて、ひとつしかないよな……


「だけど、それだけじゃなくて
その現場、神谷も見てたらしいんだよ」

「は?え、その場にいたってこと?」

「そう。ただ拘束されてたから、なにもできることがなく、ただただそれが終わるのを待つだけ、みたいな」


……まじか。それは…圭介も、その佐脇歩美さんも相当しんどかっただろうな…


「その出来事があってから、神谷は不良をやめた。今みたいな感じになった。
自分のせいで彼女が巻き込まれたことをすごい後悔して、もうそんなことが起きないように不良をやめたんだ。

……でも、彼女はそれだけじゃすまなくて」


このあと待ち受けているのはセカンドレイプか?と思ったけど……