君がいて、僕がいる。



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「ごちそうさまでした」


結局本当にごちそうになった私はお店を出てそんなことを言うけど


「いや、送ってくけど」


優斗くんはここでさよならする気、まったくなかった。


「え、すぐそこだからいいよ。悪いもん」

「いいって。もう遅いし、女の子はいろいろ危ないじゃん。
ここで帰っても無事に帰れたのか気になるし、もしなんかあったらまじで俺後悔するから送らせて。俺のために」

「・・・へ?はは、なにそれ。
俺のためって、私のためじゃないんかい!」

「あはは、俺のため。
いいじゃん、結局は真希ちゃんにためなんだから」

「まぁなんでもいいけどさ。
んじゃお願いします」

「ん、行こ。こっち?」

「ううん、こっち」


すっかり暗くなった、まではいかない黄昏時。
そこまで遅いわけではないけど、私はおとなしく優斗くんに家まで送ってもらうことにした。

ファミレスとは反対方向にね。


「家遠い?」

「10分くらいだから遠いし遠くないしって感じかな」


そこそこ遠い。なのに歩きな私。
自転車がないんでね。親が使っちゃってて。


そんな道のり、優斗くんとはくだらない話をしながら歩き進めていく。
なんていうか、圭介と違ってこの人は本当生徒会長様って感じ。話題がじゃっかん真面目な気がする。勉強だったり最近のニュースだったり。

まぁ、受験生だからこのくらい普通なのかもしれないけど。


「優斗くんは大学どこ受けるの?
上京する?」

「うん、するつもり。
受かるかわからないけど、それなりに高いとこ目指すよ。
目標は高く!ね」

「じゃあ優斗くんも流星群見てお願いしなきゃだね。
受験がうまくいきますようにって」


それが、今の優斗くんの幸せの近道だ。


「うーん、たぶん俺はしないかな」

「え、なんで?」

「だって、流れ星頼りで受験挑んだら、受かったあとが後悔しそうだし、それに自分の道は自分で開いていかないと。
流れ星にお願いしてる暇があったらその分勉強するよ、俺は」


……うはー、真面目。
でもその通りだよな…流れ星、見つけてる場合じゃないよな……