「ね、優斗くんはなんで生徒会長になったの?」

「え、俺?
んー、なんか立候補者がいなかったし、先生に頼まれたのもあって、やってやるかぁってのが1つ。

もう1つはさ、この前来たとき、もう一人ここにいたじゃん?」

「あぁ、女の人?」

「そう。
俺あいつに片想いしてんだよね、ずっと」

「え!?」

「あいつが副会長やるっていうから、なら俺も!と思って。」

「か、片想い…似合わない…」

「こら、うるさいよ?」


いやいやだって、優斗くんだったなかなかかっこいいと思うよ?スポーツマン的な見た目だしさ…

モテモテな人生送ってそうな人が、片想いって…


「あ、神谷は知らないから。内緒ね?」

「うん、わかった」


さて、そろそろ行こうかなと思った瞬間、生徒会室のドアが開いた。


「あ、神谷」

「圭介…どうしたの?」


開いたドアには圭介がいて、今日も安定なさっぱり感。
この人は本当に涼しげだな……


「こっちのセリフ。なにしてんの?ここで」

「え、と……別に、なにも…」


なに、って言われても話してただけだし、しかも内緒話だし…


「別に俺、お前の彼女に手出してねぇよ?」


って、いうか……なんか、怒ってます…?


「……行こ。」


そういって私の手を強く握り、圭介は私をここから立ち上がらせた。


「あっ、優斗くんありがと!」


私のその言葉に、優斗くんは笑顔で私に手を振った。
この険しい顔で私を連れ出す圭介とは真逆で……