予定通り13時半には店に到着して、ちゃーんとカップル割なるものを注文。
90分間の食べ放題を楽しんだ。この弟と。
「あんた、このあと家帰るの?」
「いや出掛ける。
今日はうるせぇのが家にいるし」
「いや将希のせいでしょうが」
「今さら期待されても」
「いや期待はしてないと思うけど。
せめて警察にお世話になるようなことしないとか、毎日学校に行くとか、そういうことだと思うけど」
「警察の世話ってか大抵補導だけだし。万引きしてるとか、喧嘩してるとかじゃねぇのに。
つーかさ、カツアゲ止めたりもしてんだけど、俺。そういうとこ評価してほしいわ」
「へぇー、えらいじゃん」
「ケンカだってするときはするけどほとんどしねぇし」
「いや、してんのかい」
「いちいち大袈裟なんだよ」
でも喧嘩って…あんた受験生でしょうが…
そんな大事なときになにしてんの…
「ってか今日デート?」
「は?」
「ワンピースなんて着ちゃって」
「いや、将希がカップルらしくしてこいって言ったんじゃん」
「そうだけど、用事あったんだろ?
デートじゃねぇの?」
デート。
・・・デート?
デートの概念ってなに?
少なくとも、今日でかけるときはただただお友だちの家に遊びに行く感覚だったけど……
いつの間にかそういう関係になって、キスまでして。
これってデート?
っていうか、付き合ってても家ならデートとは言えない?
うーん…私には難しい問題だな…
「なに頭抱えてんだよ」
「ねぇ、デートってなに?」
「はぁ?」
「だからデートってなんなの?
彼氏と会ってたらデート?家でも?」
「そうじゃねぇの?家デートとか言うし。
ってか真希まじで彼氏できたわけ?」
うわ!墓穴掘った!!
「……だったらなんなの」
「へー、ウケる」
いや、ウケねぇ。
どこらへんがウケるポイントなんだ。
「イケメン?」
「将希よりは」
「じゃあめちゃくちゃイケメンじゃねぇか」
「謙遜しろ」
でも…、好みによるのかもだけど圭介はイケメン部類、だよな…?
男らしさ的なとこはないけど、さっぱりした中性的な顔してて、なんかオシャレだし。
突然放たれる色気まであるし。
そんな人の彼女が私って、今思えば絶対圭介のこと好きな人いるだろうし、なんだか申し訳ないな……


