「おーい、真希がそんな暗い顔すんなよ~
そんな顔させるために話したわけじゃないんだけどー」
そんな風に、圭介はおちゃらけて言ってくるけど…
「…でも、家族がいないのは寂しいよ」
私には、そんな孤独をわかってあげられない。
どんだけ辛いかなんて、私には、わかってあげられない。
この人の寂しさを、わかることはできないよ…
「…寂しくないよ」
「……え?」
「だって俺、毎日真希と一緒じゃん。
起きて真希と会って、帰ってきて寝て、の繰り返し。
だから俺全然寂しくないよ」
そう話す圭介の顔は本当穏やかで、にこやかで
そんな顔をされたら、私の顔までほころんでくる。
「俺彼女いたことあるけど、こんな毎日一緒にいるのって真希だけだよ。
だから俺、めっちゃ今楽しいよ」
「いや、彼女とも毎日過ごしてあげてください」
「だって毎日一緒ってなかなかきついよ?
俺、誰かと毎日一緒とか、干渉されるの無理なんだよね」
「じゃあ雨の日くらい1人でいればいいのに」
「いーや、真希は大丈夫なんだよ
毎日一緒にいたいよ」
「そういうこと平然と言わないで」
なんだよ、バカ。
そんなこと言われると、嬉しくてにやけちゃうじゃないか
私を必要としてくれる人がいるんだ、って……


