「えっ、えーと…、」
これは…、詳しく聞いていいのか…?ダメなのか…!?
だ、だめなら自分から言い出さないかなっ…
「はは、座りなよ。
話すし」
「あ、はい
失礼しまーす…」
ソファに座って、買ってきた飲み物を出してる圭介の横に、私もちょこんと座った。
圭介の顔はこんなときまで爽やかで…
「俺妹がいたんだよね。2個下で、真希と同い年。
でも去年自殺してさー」
「えっ…!?」
自殺、って…
この人なんでそんな爽やかにそんなこと言ってんの!!
「中3で受験生で、勉強も頑張ってたんだけど自殺して
それからうちの親壊れちゃって、その3か月後くらいに両親共々自殺。
無理心中っつーのかな。
俺帰ったら二人して死んでんだもん。あれはまじでビビった」
そういう圭介の口元はちょっと緩んでて
でも確実に、目がかなしんでて
「で、俺1人なわけ。
自殺だと保険金入らないから生きてくために家売ったからこのアパートなわけね。
持ち家だと税金もかかるわけだし」
こんな平然と、さっぱりとした見た目なのは
そういう悲しさをまだ受け入れていないからなのかな…
「…だから、屋上で自殺する人止めてるの?」
「そ。
…妹は学校の屋上から飛び降りたからさ」
……私、なにを甘えてたんだろう
学校でいじめられてて、家も荒れててなんて
そんなの、この人からしたら大したことじゃないじゃん…


