今日は圭介が奢ってくれる、ってことだったんで
お菓子にアイスにジュース、何でも詰め込んで買い占めて

やっとやっと!圭介んちに向かう!!


「ったく、人の金だと思って…」

「映画みるならこれくらい必要でしょ!」

「俺食わねぇし!!」

「うわ、怒られた」


ま、なんだかんだ言って圭介もジュース買ってたけどさっ。
しかもちゃんと持ってくれて、優しいんだから。


「ん、ここ」

「え、このアパート?」

「そ。」


そういってどんどん進んでいくけど

これ、家族で住むとこ…じゃないよなぁ…


「早くおいでよ」


啓介の方をみるともうドアが開けられていて、走って近づいて中を覗くと、ワンルームのお部屋みたいですぐにソファが見えた。


「…1人暮らし?」

「そ。中入りなよ」

「お邪魔します…」


中に入れば、テレビとソファとベッド。
それにキッチンと、食器棚だけだった。


「そこトイレだから、好きに使ってー」


圭介同様、さっぱりしたお部屋だけど…これは聞いていいのか?
事情を聞いていいのか?

高校生が1人暮らしって、普通じゃないよね…?
部活とかの特待とかでもない限り…


「…すんごいなにか聞きたそうな顔してるね」

「うぇ!?」

「別に聞いていいよ?
っていうか、ダメなら呼ばないし」

「…じゃあ、なんで1人暮らしなんですか」

「俺親いないんだよねー」

「えっ…!?」


お、親がいない!?嘘、でしょ…?