「…弟の事は好きそうだね」

「はは、うん。好きだよ。
絶対に本人には言わないけど、あんなんでもお姉ちゃん思いなとこあるから」


重いもの運んでくれたり、高いとこにあるものとってくれたり、電車で痴漢から助けてくれたり

優しいとこ、あるんだよ。


「なんだぁ。死んだら悲しんでくれる人、いるんじゃん」

「あー、でも弟悲しんでくれるかなぁ」

「悲しんでくれるよ。大事なお姉ちゃんだもん」


お姉ちゃんだもん、って。
何でこの人はこんなかわいいんだ。

たまにかわいくなるよね、この人。


「んー、お腹いっぱい」

「んじゃそろそろ移動するかー」


あ、なんかかっこいい方に戻った。
この人いろんな表情するから楽しいし、なんかいろんな顔をみたくなるよ。


「お菓子かってこー」

「…お腹いっぱいなんじゃなかった?」

「別腹って言葉知らないの?」