ってことで、翌日


『雨だけど屋上、行く?』


朝起きたら、雨でした。
最近ずっと雨がなくて、朝から雨ってのが圭介と知り合ってから初めてで、今日初メールが圭介から届いた。


『自宅待機ってことで』


ま、雨だし。
今日は家の中も静かだから、たまには出掛けないのもいいかな。

パタン、とケータイを閉じて、私のまぶたも閉じた。
……けど


~♪~♪~♪


私のケータイは、電話を知らせる音楽が鳴っている。
掛けてきた相手なんて、見なくてもわかるけど

サブ画面を見ればやっぱり"神谷圭介"。


「なにー」

『暇じゃーん』

「たまには勉強しなよー」

『やだ。俺やる意味ないもん』

「その変な自信はいったいなんなの」

『俺んち来ない~?映画でも見ようよ』

「……あの、普通彼女でもない女の子を家に呼びますかね」

『え、俺らだからいける感じするんだけど』


……いやまぁ、確かに変な過ちはないと思うけど。
断言できそうなほどだけども。


「ってか家知らないしー」

『いつものファミレスの近く』

「雨んなか行くのめんど」

『えー、お願いお願いお願い』

「いや、ガキか」

『先輩に向かってなんだ、それは』


……ってか、どんだけ無駄な会話してんの。
これお金とられてますよね?普通に。


「……仕方ないなぁ
んじゃすぐは無理だし、11時にファミレス集合は?
お昼食べてから圭介んち行けばいいじゃん」

『んー、仕方ない。妥協。』


妥協って。
もしかしてこの人、家から出るのはめんどいけど暇だからって理由で私を読んだんじゃないのか?

いや、絶対そうだ。


「んじゃまたあとでね」

『ん。』


・・・よし、二度寝しよっと。