なんか意味不明なうざいキャラをコテンパンにやっつけて、私たちはいつも通りの映画を見た。

前に挑戦したけど、私には刺激が強すぎた恋愛映画を。


……本当はバトル系とかハラハラするやつ見たかったけど。圭介がこれがいいっていうから…


「……めっちゃ真剣に見てるけど、面白い?」


私がそんなことを聞いても、圭介はすごく真剣に映画を見ていて返事はなかった。

……でも、今見ても確かに前ほどの刺激は私にはない。
恥ずかしくないといったら嘘になるけど、以前と比べたら…かなりましになった。


「真希さ、運命って信じる?」

「へ?」

「運命ってあんのかね」


・・・どうした?
え、なにがあった?圭介がそんなこと聞いてくるなんて、相当おかしくないか?

……なんか、あった?


「運命か…あるかもしれないけど、私はないと思うな」

「なんで?」

「そんなんあったらつまんないじゃん。なんか全部決められてるみたいでさ。
たとえ全部の選択肢が運命でもう答えが決まってるなら、私はそれをぶち壊しにいきたいね。

ま、それがもう運命で決まってるのかもしれないけどさ
ないと信じたいよ」

「……真希らしいね」

「圭介は?運命ってあると思う?」

「俺もないと思うね。
もし俺の人生が運命で決まってたならそんな運命を決めた人を俺は恨んじゃうし
神様も、なんで俺なんだよって恨んじゃうじゃん」

「……それって、神様も信じてないってこと?」

「え。当たり前じゃん。
逆に神ってなんなの」


・・・いや、それじゃ初期の頃言ってた「流れ星は神様が流してくれたんだから…」的な発言はどうなるんだ。

神様が流してくれてるんだから、願い事を叶えてくれるんじゃないのか!?
矛盾してないか!?おい!


「でも、神頼みしたくなるときもあるけどね」

「受験のときとか?」

「……いや、俺には必要ないって」


……だから、なんなのその変な自信。
そしてその間。
今まではなかった間だな


「んー、それよりなんかこんな映画見てたらイチャイチャしたくなるよね」

「え、そう?」

「もうー…本当、どんだけ冷めてんの。
向こうにいるときはもうちょっと可愛いげあったのに…」

「いいじゃん。これが私なんだから」

「……それもそうだね」


圭介はそう言いつつ、結局私にキスをする。
……ま、結局私も嫌いじゃないから全然受け入れるんだけどさ


「……なんか、帰す気なくなる」

「いやまだ帰らないけど」


まだ17時。まぁそろそろ夕飯は考えなきゃいけない時間になってきたけどさ。


「……言い方変える。
離れたくなくなるー」


そういって、隣にいるのに私に抱きつく圭介を見てるとなんか本当に子供みたいで、私も離したくなくなる。
これはこれでいいもんなんだ。


「ん、じゃああと少しね」

「えー」

「だってご飯どうするの」

「……なんか、お好み焼きとかでよければすぐできるし、あとでいいよ」


……まぁ、圭介がそれでいいならそれでいいけどさ。私は。