__でも、そんなドアはすぐに開けられた。
「真希、どうしたんだよ」
「なにが?どうもしないよ。
いつもやってたんでしょ?花火。
私なんか気にしないでやっておいでよ」
私はそう言って布団に手をかける。
もう顔は見せられない。
こんな顔、見せられない。
見せてしまったら、私の汚い部分がバレてしまうから。
「だから、行くなら真希も…」
「私は美咲さんたちと友達なわけじゃないから。
私が行っても気遣わせちゃうから」
「そんなことないから。
真希も行けば絶対楽しいから。
な?行こうよ」
そう優しく言って、優しく私の肩に触れる。
……でも、あの美咲さんを見たら、行くことなんかできない。
お祭りと同じことになるに決まってるから。
__なら、最初から行きたくなんかない。
「な、真希」
「……いきたくない」
「え?」
「美咲さんたちは圭介の友達で、私の友達なわけじゃない。
だから、私は行かない」
そう伝えると、私の肩に触れる圭介の手の力が少し緩んだ。
……でも、なにも言わない。
言わなくても、伝わってくる。
きっと、私と美咲さんたちが仲良くしてほしいんだろうなって。
そんな圭介の思いがちゃんと伝わってくる。
……でも、それに今の私は応えられない。
「……真希が行かないなら、俺も行かない」
そんな私に、圭介はどこまでも寄り添ってくれる。けど……
「だめ。いきなよ。
私なんか気にしなくていいから」
「気にするわ。真希は俺の彼女なんだから、彼女一番に考えてなにが悪いんだよ」
どこまでも優しい圭介はそんなことを言ってくれる。
とことん私に寄り添う。
……でもね、圭介には私だけなわけじゃないんだよ
「だから、真希が行かないなら俺も行かない。
そう美咲に伝えてくるから」
そう言って立ち上がった圭介にすかさず、背を向けたまま
「私をこれ以上嫌な女にしないで」
そう、伝えた。


