翌日

『家の前についたよ』

圭介は本当に7時に迎えに来た。
どんだけ早いんだ、と思いつつ、まだ起きていないであろう将希の部屋のドアを容赦なく開けると将希はもういなくて

あいつ、もう出掛けたのか?と仕方なくリビングに降りれば


「・・・なにしてんの」


なぜか、将希が圭介を接待していた。


「いや、将希があげてくれたんだよね」

「窓の外にいるのが見えたから、真希を迎えに来たんだろうと思ってな」


だからって、なんでそうなるんだ…
……まぁなんでもいいけどさ


「神谷さんもなんで真希なんですかね」

「ちょっと。どういう意味」

「短気たしガキだしババァだし」

「その言葉、そのまんま返すわ。
ゆずちゃんもなんで将希なんかを選ぶかね」

「そんなん、俺がいい男だからに決まってんだろ」

「なら私もいい女だからに決まってんでしょうが」


…ったく、どうして私の弟はこうも可愛いげがないんだ。小さい頃はもっとかわいかったはずなのに。

なんて、将希といがみあっていたら圭介が声を出して笑っていた。


「めっちゃ仲良しじゃん」

なんて言って。


「冗談やめてくださいよ」

「こっちのセリフだわ」


仲良し?……うん、最近は仲良しなのかもしれない。私が圭介と知り合ってからは、安定的に話せている気がする。

少し前まで、会話なんてものは本当に少なくて、圭介って言うちょっとした共通点で突然話すことが増えたんだ。
それまでは本当ご飯のときくらいしか話さなかったから…


「っていうか、真希はゆずと知り合いなんだ?」

「あぁ、昨日将希が家に連れてきたから」


……そういえば、昨日ゆずちゃんが話したこと…どうしよう
支えてあげて、ってどうすればいいの…?