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元カレ

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─── 1月4日 金曜日 ───

6時。

俺の腕の中で、奏が身動(みじろ)ぎする。どうやら、こっそり抜け出そうとしているようだ。

俺は後ろから、ぎゅっと奏を抱きしめた。

「ゆうくん?」

「奏、おはよう。」

「おはよ。」

腕を緩めない俺に困っているようだ。

「………
ゆうくん?
今日から、仕事でしょ?」

「ヤダ。」

「ぷっ」

奏が噴き出した。

「ゆうくん、離して。
これじゃ、ゆうくんの顔も見れない。」

その言い方がかわいくて、俺は腕を緩めた。

奏が振り返って、向き合うと、俺は呟いた。

「ずっと、こうしてたい。」

「うん。」

奏は俺の胸に顔を埋めて、ぎゅっと抱きしめた。

「でも、仕事はいかなきゃ。
1日がんばったら、明日、休みでしょ?」

ずるいなぁ。
そんな事しながら言われたら、イヤって言えないじゃん。

「あーぁ。
仕方ないなぁ。」

俺は仕方なく、腕を緩めて奏を解放した。

「奏、先、シャワー浴びて来て。」

「ゆうくん、先でいいよ。
ゆうくんの方が出勤時刻が早いんだから。」

「じゃあ、一緒に。」

「ダメ!」

くくく。

2人でいるのが、とても楽しい。
もっとイチャイチャしてたい。

俺たちは、ギリギリまで2人の時間を楽しんだ結果、遅刻すれすれで出勤した。