私が五十嵐に本当の事を言い、五十嵐に告白され、私が承諾したあの日から、早くも1週間と少しが過ぎた。


私達の係仕事は、前からほとんど変化は無かった。


告白されたからといってべたべたしている訳でもないし、手を繋いだりする、付き合って当たり前にする行動もしていない。


あの日の、私達にとって2度目のハグ以降は、私達は今までと変わりない生活を送っていた。


何度も思い出している事だけれど、五十嵐はあの時完全に私の性別の悩みを考慮して、“好きみたい”とうやむやにしたし、私も“好き”とはっきり言わなかった。


それが、私達にとって良い事だったと思う。


係のある日の放課後は、今まで通りの平常活動に加え、前に五十嵐が泣いて拒否した本の音読も継続されている。


本の音読については、ほとんど進展がない気がするけれど。


むしろ、前に何かに恐怖を感じたせいで、前よりも文が読めなくなっている様な気もしていた。



水曜日の放課後。


(眠っ……あっ、五十嵐、先に図書室に行ったんだ。珍しいな)


図書室の近くまで来た私は、図書室の電気がついている事に驚きを覚えた。


それはつまり、五十嵐が中に居るという事だからだ。


彼は、少し前に私がまた図書室の仕事に復帰した辺りから、私よりも先に図書室に来なくなっていたからだ。