私の本音は、あなたの為に。

自分が、何をしたかったのかも分からず。


大ちゃんとの約束を破ったのかすらも、分からず。


花恋に言われた事を守っているのかも、分からず。


はたまた、きちんと兄になりきれているのかも、分からず。



そんなもやもやした気持ちを抱えながら、折角の休日である日曜日も瞬く間に過ぎて行った。


覚えているのは、必死に演技をした、ただそれだけ。



「…疲れたー」


夜。


まだ夕飯を食べていない私は、自分の部屋の机に向かいながら長々しいため息をついた。


明日からは学校で女子になれるから、本当なら嬉しいはずなのに。


何故か、気分は上がらなかった。


「私、このままでいいのかな…」


やはり、ママを病院に連れて行った方が良いのだろうか。


(そしたら、何科かな?)


何度も考えたけれど、やはり精神科だろうか。


それとも、脳外科だろうか。


脳の記憶を司る、海馬という部位や大脳皮質という部位が損傷していると、記憶が一部分抜けたりする事があると本で読んだ事がある。


けれど、単に精神的な問題の場合もあるかもしれない。


「本当に、どうしよう……」


何分経っても、やはり答えは見つからないもので。


(やっぱり明日考えた方が良いよね、うん)


結局私は、恒例の現実逃避をして、1人納得した。