私の本音は、あなたの為に。

そりゃそうだよ、だってあんなに優希の境遇と似ている映画を見たんだもん。

それに、優希のお母さんは何も思い出さなかったんだよね?

泣くのも当然だよ。


私がその場に居たら、優希の事抱き締めてあげられたのに…。

優希が泣き止むまで、私も一緒に泣いてあげたのに…。

ごめんね、私、何も気付かなかった。

気付けなかった。


何だか、優希の演技が日に日に上手くなっている気がするよ?

それが、良い事なのか悪い事なのか分からないけど。

でも、何でもかんでも溜め込んじゃ駄目だからね?

そんな事してたら、いつか優希が壊れちゃうよ…!

私は、そんなの絶対に嫌!

もしも、優希が自分が男か女か分からなくなったら、私が教えるから!

自分が誰なのか分からなくなったら、私が教えるから!


だから、頑張ろう?

いつ終わるか分からないけど、私も一緒に居るから。

私も一緒に、闘うから!

諦めちゃ、駄目だよ。


優希、ファイティン!』



花恋に何度も言われた台詞や、新たに彼女の想いが詰まったそのメールを読んだ私は、再び泣いた。


今日は何度泣いたのか分からない程、泣いた。


それでも、結局は何も変わらない。


私が勇気を出して、


『私は優希だよ』


と伝えるか、


『俺は勇也だよ』


と言い続けるか。