私の本音は、あなたの為に。

「凄く、良かったと思うよ。感動したし」


その映画を実際に見た私は泣いたのだから、事実だ。


それに、映画の完成度も凄く高かった。


主人公と、主人公が想いを寄せる男子。


その2人の心情が、これでもかという程伝わる作品だった。


それを伝えると、花恋は花が咲く様に笑って。


「あの主題歌の曲、弾けるようになったから…。映画も、今度観てみようっと!」


と、張り切っていた。



あれから数時間後。


私は、自分の部屋で宿題に手を付けていた。


とはいっても、あまり進んではいない。


思い出すのは今日の映画の内容と、花恋との会話ばかり。


「あああー…」


思わず、盛大なため息を漏らしてしまう。



実は、私は家に帰った後、メールで花恋に映画館で映画を観ている最中に号泣した事を伝えていた。


『花恋ー。あのね、実は……』


から始まる長文。


私がそのメッセージを送った数分後には、花恋からの既読がつき。


その数分後には、花恋からも私と同じ様な長文メッセージが送られてきた。



『優希ー!


ごめんね、何も気付いてあげられなくて(泣)

映画を、端っこで泣きながら見ていたんだよね。

辛かったよね、怖かったでしょ…?

助けてって、思ったよね?