彼の突然の行動に、私の心臓は飛び跳ねる。
まるで、それは肋骨から飛び出してしまいそうな程に。
「あの、さ…俺が読めなかったら、教えて欲しいから…。近くに居てくれない?」
五十嵐からのいつものお願いを、私が断るはずもなく。
「……うん、いいよ…」
けれど、その前に。
(手を離して…)
何故か、胸の鼓動が早くなる。
私はそっと五十嵐の手を離し、彼の隣の席に座った。
本を読もうと思っていた事など、私の頭の中からはすっかりと消え去ってしまっていた。
考えるのは、五十嵐が私の手を握った事だけ。
(何で、こんなに身体が熱いの…?)
たった一瞬の事なのに、どうしてこれ程までに身体が火照っている気がするのか私には分からなかった。
それのせいで、私は五十嵐の音読する声を聴き逃していて。
「…う、…どう……安藤!」
強い口調で私の名前を呼ぶ声に、私ははっと我に返った。
「えっ……あ、ごめん!ちょっと考え事してて…」
私は彼に自分の身体がおかしい事を気付かれない様、慌てて手を胸の前で合わせる。
五十嵐は不貞腐れた様に頬を膨らませていたけれど、
「…じゃあ、聞いててね」
と、すぐに本へ目を向けた。
まるで、それは肋骨から飛び出してしまいそうな程に。
「あの、さ…俺が読めなかったら、教えて欲しいから…。近くに居てくれない?」
五十嵐からのいつものお願いを、私が断るはずもなく。
「……うん、いいよ…」
けれど、その前に。
(手を離して…)
何故か、胸の鼓動が早くなる。
私はそっと五十嵐の手を離し、彼の隣の席に座った。
本を読もうと思っていた事など、私の頭の中からはすっかりと消え去ってしまっていた。
考えるのは、五十嵐が私の手を握った事だけ。
(何で、こんなに身体が熱いの…?)
たった一瞬の事なのに、どうしてこれ程までに身体が火照っている気がするのか私には分からなかった。
それのせいで、私は五十嵐の音読する声を聴き逃していて。
「…う、…どう……安藤!」
強い口調で私の名前を呼ぶ声に、私ははっと我に返った。
「えっ……あ、ごめん!ちょっと考え事してて…」
私は彼に自分の身体がおかしい事を気付かれない様、慌てて手を胸の前で合わせる。
五十嵐は不貞腐れた様に頬を膨らませていたけれど、
「…じゃあ、聞いててね」
と、すぐに本へ目を向けた。



