佐尾くんが悪戯っぽく瞳を輝かせながら、小さく首を傾げる。

その仕草に思わず頬を火照らせた私は、そのまま小さく頷いていた。

ほんの少し俯けた頭の上に、今度は佐尾くんが躊躇うことなく手を載せる。

俯いたまま、またぎゅっと目を閉じてしまったけれど、頭に触れる佐尾くんの手を少しも嫌だとは思わなかった。

ただ、胸がドキドキ鳴っていた。