雨に降られた翌日から2日間、私は熱を出して学校を休んだ。

2日ぶりに登校して下駄箱から上履きを取り出そうとしたとき、手の甲に何かがあたる。


腰よりも低い位置にある私の下駄箱の中を、普段はわざわざしゃがんでまで覗き込むことはない。

だけど上履き以外のものが入っているみたいなので、引き腰で少し警戒しながら低い位置にあるその中を覗き込んだ。


「あ」

嫌がらせの可能性を感じていたから、そこに意外なものが入っていたことに思わず驚嘆の声が溢れる。

下駄箱の側面にぴったりとくっつくように置かれていたそれは、2日前に佐尾くんが持って帰ったというピンクの折りたたみ傘だった。

干して乾かしてくれたのか、2日前に雨に降られたはずの傘は綺麗に折りたたまれている。


私が2日も休んでたから、下駄箱に入れてくれたのかな。