「では、今回のケンカの原因は

うちの部員にあるということですか?」

ラグビー部の顧問の加賀爪先生が興奮気味に

学年主任の平野先生を見る。

「……ええ、ラグビー部の部員がタバコを

吸っていて、それをたまたま見た新井に

口止めしようとして

ケンカになった様ですよ。」

平野先生は、加賀爪先生と対照的に

いたって冷静に話をする。

「だからって、あんなに殴りますか?

ボコボコじゃないですかっ!

これじゃ、試合に出れませんよっ!」

加賀爪先生は、机をバンッと叩いた。

「……そうですかね…。」

「新井を退学にして下さいっ!」

「……加賀爪先生っ!

それはいくらなんでもっ。

新井くんも、反省してますから…。」

私は、必死に加賀爪先生に懇願する。

「…奥平先生、担任なんだからもっと

しっかりしてくださいよ。

…そんな甘い事言ってるから

舐められるんですよっ。」

……加賀爪先生のあまりの勢いに

圧倒された私は、言葉につまってしまった。

「……そ、それは…。」