次の日の朝…

私は、放送室からアナウンスした。

ピーンポーンパーンポーン

「全校の皆さん、おはようございます。

今から、全校集会を行いますので

速やかに、体育館に集合してください。

繰り返します…」

職員室に戻ると、一斉に先生方が

私の方を驚いた表情で見ている。

「奥平先生…全校集会とは?」

「あの…お話したい事があります。

どうか…生徒を体育館にお願いします。」

そう言うと、私は深く一礼し

職員室を出た。

ガラッ

扉を開けたその瞬間…

目の前に新井くんが立っていた。

あっっ…

ほんの数秒だが、ゆっくりと視線が絡む。

昨日の傷で顔や腕に大きな絆創膏を

している彼に申し訳なさが込み上げる。

光くん…ケガさせてごめんなさい。

そんな私に彼が優しい眼差しを向けて

いる事に気づき…

瞬時に我に返って話す。

「…あっ…こっ…新井くんっっ。

来てくれたんだっ…良かった…。」

もう一度、彼の顔を見ると

彼はいつも通り生徒の顔に戻っていた。

そんな彼に少しホッとしていた。