「全然へーきだよ。それより、彩綾ちゃん!じゃんけん強い?」
「………んー…弱いかな」
美穂ちゃん渾身の、ウルウル攻撃を“それより”で片付けてしまう真田くん…すごい。
あーぁ、美穂ちゃん私をめっちゃ睨んできてま〜す。
「……それでは、メッ…メイド喫茶と執事メイド喫茶の代表者は、じゃんけんしてくださいっ」
ずっと傍観者として見てた先輩は、真田くんの言葉にハッとして恐る恐る言った。
「来夢には悪いけど、私あんたには負けたくないから」
ボソッと耳元で美穂ちゃんにつぶやかれた。
…負けたくないって……たかがじゃんけんですけど。

