下を向いて顔を見ないようにしていたら、
「こっち向いて?」
そう言って目の前にいるアイツは…、
「…っ〜!!?」
「きゃー!!来夢君!!?」
「きゃーーー!!やめてっ」
一瞬間があいて、周りのざわめきが聞こえてきた。
でもそんなこと、今の私は全く聞こえてなかった。
なぜなら放心状態だったから。
アイツは…顔を近づけてキスを私にしたのだ。
「…離してっ!!」
いや、周りにはキスしてる風に見えるけど実際は寸止め。
しばらく状況がうまく飲み込めず、アホみたいな顔で突っ立っていたけど…だんだんと状況がわかってきた。

